投資アプリ「Robinhood(ロビンフッド)」

投資アプリ「Robinhood(ロビンフッド)」は何がスゴい? 熱狂的な若者を生んだ仕組み

ミレニアル世代向け金融サービスとして大きな注目を集めているのが、投資アプリを手がける「Robinhood(ロビンフッド)」です。コロナ禍を契機に投資を始めた若い世代は「ロビンフッダー(ロビンフッド族)」とも呼ばれ、場の動向にも影響を及ぼすに至っています。そのシンプルで分かりやすいデザインと、手数料無料のサービスは投資の裾野を広げる大きな効果が出ています。その一方で、過度なゲーム性が短期売買を繰り返す要因となり、長期的な資産形成の妨げになり、その不透明なビジネスモデルが批判されている面もあります。

 

 

 

ソーシャルゲームのような投資アプリ「ロビンフッド」

資産形成は若い世代にとっても身近な話題になっています。日本だけでなく、世界的にも、老後の生活に備えるため、貯金や投資へ意識が向いています。

米国Investopediaの調査では、20・30代の46%がより多くの貯金をしたいと思い、投資をする理由として64%が老後の備えだと回答しています。一方、投資について十分な知識があると感じているのは37%に過ぎず、「分かりにくい」「リスクがある」「怖い」といった印象をもっていました。

ロビンフッドはこうしたユーザーに対し、手数料無料で手軽に投資が行えるスマホアプリを展開する、シリコンバレーのスマホ専業証券会社です。ロビンフッドでは従来の証券サービスと同様に、株式やETF(上場投資信託)、オプション、さらには暗号通貨の売買が可能となっています。JMP証券の調査では、同アプリのユーザーは平均して1000~5000ドルとなっており、比較的少額の投資が一般的です。 また、株価の高い株式でも、単元株未満で1ドルから売買できるミニ株での投資も提供されています。

米国CBGL社が行った調査では、1982~1996年に生まれたミレニアル世代のうち、100万ドル以上(約1億円)の金融資産を保有する「ミリオネア」が既に60万人を超えたとされています。ロビンフッドが対象とするのは、ミリオネアまで達していなくとも、比較的収入が高く、これから投資に挑戦したいと考えるミレニアル世代が中心となっています。
そのアプリの特徴は、若い世代が使い慣れているSNSやモバイルゲームのようなユーザーインターフェースを備えていることです。たとえば、新たな情報があればモバイルアプリがプッシュ通知を送るため、1日に10回以上もアプリを開く人もいるといいます。2015年にアプリを正式公開する前には、限定されたユーザーにのみ登録を許可して、登録待ちをしているユーザーの興味をかきたてるマーケティングを行うなど話題づくりもうまかったのです。

ロビンフッドのデザインを見ると、確かに従来の証券サイトと比較しても、表示する情報量が必要最低限になっており、シンプルな構成になっています。投資経験の少ない人が想定ユーザーであるので、高度な分析を提供するよりも、分かりやすさが重視されています。その洗練されたデザインにより、2015年にはAppleデザインアワードも受賞しています。一見、退屈にみえる投資活動も、ロビンフッドは簡単に楽しめて習慣性のあるものに変えることに成功しているのです。

コロナ禍でユーザーが爆増、「ロビンフッド現象」

ロビンフッドは急速にそのユーザー数を増やしてきた。2016年には100万人だったユーザーは2018年10月に600万人、2019年末には1000万人に到達しています。さらに、コロナ禍で外出自粛を余儀なくされる中、ゲーム性のあるロビンフッドに興味を抱く、若い世代が急激に増加した結果、

2020年5月にはユーザー数が1300万人となりました。

ブルームバーグはDART(1日平均の取り引きによる売り上げ)の指標を用い、ロビンフッドと競合他社との比較を行いました。2020年6月の大手証券サイトAmeritradeのDARTは384万ドル、Charles Schwabは180万ドル、E*Tradeは110万ドルだったのに対し、ロビンフッドのそれは431万ドルにものぼっています。ロビンフッドの取り引きは、2020年第1四半期に比べ、第2四半期に2倍になったとされ、コロナ禍における同社の利用拡大は明らかです。

ロビンフッドは多数のユーザーから受け入れられた点を踏まえ、さらなるサービス拡大のため、大型の資金調達も行われています。2020年8月に2億ドルの投資を受け、その評価額は112億ドルです。その評価額から、いわゆるユニコーン企業の一つと数えられるようになりました。その投資家の中にはGV(Googleの投資部門)やアンドリーセン・ホロビッツといった著名なベンチャーキャピタルが名を連ねています。

ロビンフッドは以前からIPO(新規株式公開)の噂が絶えませんでした。2020年に入ってからも資金調達を続け、拡大を続ける同社は、IPOを行って市場から資金調達する可能性があるからです。ただし、現在はコロナ禍によって不確実性のある株式市場の影響もあり、IPOのタイミングは不透明な状態です。

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